インドネシアにおける現地法人の主な設立形態についてご紹介いたします。
どの法人形態での進出が自社にとって最適であるかお悩みの方、基本的な情報を把握されたい方は、ぜひ参考にしてください。
1. 現地法人/株式会社(PT:Perseroan Terbatas)
PTは国内投資企業(PMDN)および外国投資企業(PMA)に大別されます。
| 項目 | 外資(PMA) | 内資(PMDN) | 
|---|---|---|
| 資本金 | 最低資本金 100億ルピア | 最低資本金なし 小規模企業:10億ルピア未満 中小企業:10億〜50億ルピア 大企業:100億ルピア | 
| 株主 | 外国籍(個人・法人どちらでも可) インドネシア(個人・法人どちらでも可) | インドネシア国籍(個人・法人どちらでも可) | 
| 形態 | 有限責任会社(PT)の設立が必須 | 有限責任(PT)以外の設立も可 | 
| 各種ライセンス | コンプライアンス面での規制有 | 政府納付金が安価な場合有 | 
| メリット | 日系・外資共に市場進出しやすい | 設立が容易 | 
| デメリット | 資本金のハードルが高い | 日系・外資共に市場進出しづらい | 
外資規制について
インドネシアでは、国内産業保護の観点から、一部業種に対して外資規制が設けられています。2021年大統領規程第10号に基づくネガティブリスト(投資禁止・制限分野)により、以下の業種では市場参入が制限されます。外資規制は緩和傾向にあるものの、下記業種に関しては、一般的に市場参入が難しいとされています。
- 建設事業外資出資比率67%(ASEAN加盟国の場合70%まで) 
- 保険会社外資出資比率80% 
- 新聞、雑誌、メディア発行設立時内資100%/外資拡張出資49%まで 
- 民間、有料放送局設立時内資100%/外資拡張出資20%まで 
- 武器、軍事用車両、船舶・航空機、国内海運・水上輸送、空運、宅配/外資出資49%まで 
設立時に必要となる基本項目5選
- 事業概要 
- 住所(オフィス設置場所) 
- 株主 
- 取締役 
- 監査役 
- 資本金 
※それぞれに定められた条件があります
2. 現地法人/合弁(PT:Perseroan Terbatas)
インドネシアにおいて、製造・販売・コンサルティング等を除く多くの業種では、現地パートナーとの合弁による法人設立も可能です。市場や習慣を理解する上でも、現地企業との連携は有効ですが、意思決定や利益分配の際に難航するケースが多くございます。
そこで、合弁契約締結時に検討すべき主な項目5点をご紹介します。
- 出資割合や出資額 
- 株式譲渡制限の有無(75%以上の株式保有が理想的です) 
- 役員の選任権 
- 株主総会の決議事項や決議用件 
- 独占禁止法等 
現地法人設立の流れ
必要事項が決定してから、会社登記(定款作成)までのプロセス自体はおおよそ1か月です。
必要書類がすべて揃うまでのスピードは会社様により異なります。
一般的な定款登記迄の流れを紹介します。
- 必要書類/設立時の必須項目5選 
- 申請書類への株主による署名 
- 国外書類の公証化(アポスティーユ認証の取得) 
- インドネシア公証役場による書類の確認 
- 法務人権省による設立証書(Deed of Establishment)の発行 
- 会社登記完了 
会社登記が終了後、事業内容に応じて必要なライセンスの取得や各種従業員の雇用手続き等を行っていきます。
定款登記後、会社事業番号を取得する際、納税番号等が必要となるため、 従業員1名目の選定タイミングが肝となります。
また、ビザの申請時にはインドネシア人の雇用がマストになりますので、早めの雇用が重要な点であると言えます。
ご不明点や現地法人設立に関するご相談は、以下までお気軽にお問い合わせください。